「朝起きたら洗面所にムカデがいた」
「お風呂場で突然見つけてびっくりした」
「毎年暖かくなると家の中に入ってくる」
ムカデのご相談では、こんなお話をよく聞きます。
姿が特徴的なうえ、咬まれる可能性もあるので、室内で見つけると驚きますよね。ただ、ムカデが一匹出たからといって、「家の中で大量発生している」と決めつける必要はありません。
私たちボウケンジャー(防研スタッフ)がムカデの現場を見るときに大切にしているのは、ムカデだけを見るのではなく、その家の周りを見ることです。
なぜなら、住宅内で見つかるムカデの多くは、屋外の環境と深く関係しているからです。
今回は、ムカデがどんな場所を好み、なぜ住宅へ入ってくるのか。そして自分でできる対策と、専門業者へ相談したほうがよいケースを、現場での考え方を交えながらお話しします。

ムカデはどんな場所で暮らしている?
ムカデは基本的に、暗く湿り気のある場所を好みます。
家の周辺でいえば、石や植木鉢の下、落ち葉の中、ブロックの隙間、庭木の根元、物置の下などです。
昼間はこうした場所に隠れ、夜になると活動することがあります。
そしてムカデは、ゴキブリや小さな昆虫などを捕らえて食べる捕食者です。
つまり、
「湿気がある」
「隠れられる」
「餌になる虫がいる」
この条件がそろった場所は、ムカデにとって生活しやすい環境になります。
ここが対策を考えるうえで、とても大事なポイントです。
家の中で見つけても、家の中が発生源とは限らない
室内にムカデが出ると、
「家の中に巣があるのでは?」
と思われるかもしれません。
もちろん建物の床下などに適した環境がある場合もありますが、屋外から偶然入り込んでいるケースもあります。
例えば夜間、玄関ドアや窓の周辺に小さな虫が集まります。
そこにはムカデにとって餌になる虫もいます。
餌を追って建物の近くまで来たムカデが、わずかな隙間から室内へ入ってしまうことがあります。
ですから、室内だけに薬剤を使用しても、屋外側の環境がそのままなら繰り返すことがあります。
「どこから入ったの?」は意外と難しい
ムカデは細長い体をしているため、私たちが気にしないような隙間から入ることがあります。
例えば、
玄関ドアの下。
サッシ周辺。
基礎と外壁の取り合い。
配管が壁を貫通している部分。
床下換気口周辺。
エアコン配管周辺。
こうした場所は確認しておきたいポイントです。
ただし、室内で見つけた場所が、そのまま侵入口とは限りません。
洗面所にいたからといって、洗面所から入ったとは限らないんですね。
別の場所から侵入し、室内を移動していた可能性もあります。
だからボウケンジャー(防研スタッフ)は、発見場所だけでなく建物の外周まで見ていきます。
実は「家の周りの整理」がかなり大切
ムカデ対策というと、最初に殺虫剤を思い浮かべる方も多いと思います。
もちろん薬剤を使う方法もあります。
でも、その前に一度、家の周りを歩いてみてください。
植木鉢を何個も地面へ直接置いていないでしょうか。
使っていない木材やブロックが積んだままになっていないでしょうか。
落ち葉が長期間たまっていないでしょうか。
草が伸び、地面がいつも湿った状態になっていないでしょうか。
こうした場所を少し動かしてみると、小さな虫がたくさん出てくることがあります。
そこはムカデにとっても暮らしやすい場所かもしれません。
ムカデだけを何とかしようとするより、ムカデが住みやすい環境そのものを減らすほうが、長い目で見ると大切です。
雨が降ったあとに見かける理由
「大雨の翌日にムカデが出た」という話を聞くことがあります。
ムカデは湿った場所を好みますが、水に浸かった環境が快適というわけではありません。
強い雨によって普段潜んでいる場所の環境が変わると、別の場所へ移動することがあります。
その移動先の一つが住宅周辺になる場合があります。
また、暖かく湿度が高い時期は、ムカデだけでなく餌になる虫の活動も活発になります。
そのため、梅雨から夏にかけて見かける機会が増えたように感じることがあります。
ただし地域や建物周辺の環境によって状況は違います。
「梅雨だけ注意すればいい」というわけではありません。
室内でムカデを見つけたら
まず慌てて素手で触らないでください。
ムカデは刺激を受けると咬むことがあります。
市販のムカデ用殺虫剤など、製品表示に従った方法で対処するのが一般的です。
捕まえようとして手で追い込んだり、家具の隙間へ手を入れたりすることは避けましょう。
小さなお子さんやペットがいるご家庭では、薬剤を使用する場所にも注意してください。
使用方法や使用場所は必ず製品表示を確認してください。
咬まれてしまったら
ムカデに咬まれると、痛みや腫れが出ることがあります。
咬まれた場合には患部を清潔にし、症状をよく確認してください。
強い腫れや痛みが続く、気分が悪い、息苦しさなど全身症状がある場合には、自己判断で様子を見続けず医療機関へ相談してください。
特に過去に虫などで強いアレルギー反応を起こした経験がある方は注意が必要です。
必要以上に怖がることはありませんが、「大丈夫だろう」と無理をする必要もありません。
DIYでまずやってほしいこと
ムカデ対策は、ご家庭で改善できる部分が比較的多くあります。
最初におすすめしたいのが、建物周囲の整理です。
落ち葉や雑草を整理する。
植木鉢や資材を長期間同じ場所に置かない。
排水状態を確認し、いつも水がたまる場所を減らす。
玄関やサッシ周辺の大きな隙間を確認する。
こうしたことから始めてみてください。
市販の薬剤を使用する場合も、「とにかく家中に撒く」のではなく、製品の使用方法を守り、どこにムカデが出ているのかを考えながら使うことが大切です。
ムカデだけ対策しても改善しないことがあります
ここは、防除研究所が現場で大切にしている考え方です。
ムカデはほかの小さな生き物を餌にしています。
つまりムカデが多い場所では、餌になる昆虫が多い可能性も考えます。
例えば建物周囲にゴキブリや小さな虫が発生しやすい環境があれば、そこを改善することもムカデ対策につながります。
害虫対策は、一種類だけを切り離して考えるとうまくいかないことがあります。
「ムカデを退治したのに、また出た」
そんなときは、
ムカデがなぜそこへ来るのか
をもう一度考えてみる必要があります。
床下はムカデ調査の重要なポイントになることも
何度対策しても室内にムカデが出る場合、建物の床下環境を確認することがあります。
床下に湿気が多い。
水漏れがある。
虫が発生しやすい状態になっている。
外部から入りやすい開口がある。
こうした条件がないかを見ていきます。
ただし、ご自身で狭い床下へ入ることはおすすめしません。
暗く狭いだけでなく、配管や電気設備、釘などもあります。
DIYで行うなら、地上から安全に確認できる範囲までにしてください。

地域によって発生環境も変わります
防除研究所では、関東・北関東・中部・関西・九州で害虫・害獣対策を行っています。
同じムカデの相談でも、住宅密集地と山沿いの住宅では周辺環境がまったく違います。
中部の山間部に近い住宅では自然環境との距離が近いことがありますし、関東・北関東・関西・九州でも、庭の状態、周辺の植生、湿度、建物構造などによって発生状況は変わります。
ですから、
「ムカデ対策はこれを撒けば大丈夫」
とは簡単には言えません。
ボウケンジャー(防研スタッフ)が見るのは、ムカデそのものだけではありません。
建物の外周。
庭。
排水。
植木鉢や資材。
床下。
侵入できそうな隙間。
そして餌になる虫。
こうしたものを一つずつ見ながら原因を探します。
専門業者へ相談したほうがいいケース
一年に一度、屋外から迷い込んだと思われるムカデを見つけた程度なら、すぐ専門的な施工が必要とは限りません。
まずは周囲を整理して様子を見る方法もあります。
一方で、
毎年何匹も室内へ入ってくる。
短期間に何度も見つける。
寝室や子ども部屋でも発生する。
床下の湿気が気になる。
市販の薬剤を使っても繰り返す。
こうした場合には、一度専門業者へ相談してみるのもよいでしょう。
「薬を撒いてください」ではなく、なぜ発生しているのかを調べてもらうことをおすすめします。
まとめ ムカデ対策は家の外から考えてみる
室内でムカデを見つけると、どうしてもその一匹に目が向きます。
もちろん目の前のムカデへの対処は必要です。
でも、そこで終わらないことが大切です。
どこから来たのか。
家の周囲に隠れやすい場所はないか。
湿気が多くなっていないか。
餌になる虫が多くないか。
侵入できる隙間はないか。
一つずつ見ていくと、改善できる部分が見つかることがあります。
防除研究所のボウケンジャー(防研スタッフ)は、薬剤だけに頼るのではなく、**「なぜこの場所にムカデが出るのだろう?」**というところから現場を見ます。
関東・北関東・中部・関西・九州、それぞれ環境は違いますし、同じ地域でも家が変われば条件は変わります。
だからこそ、現場を見て、その家に合った方法を考える。
目の前の一匹を駆除して終わりではなく、できるだけ同じことを繰り返さない環境をつくる。
それが防除研究所が大切にしているムカデ対策です。
株式会社防除研究所
代表取締役 梅木厚生