コウモリが家に住み着くのはなぜ?夕方に飛び出す小さな影から分かること

夕方、家の外に出たときに「屋根のあたりから黒いものが飛び出した気がする」。あるいは、朝になると玄関やベランダに黒く細長いフンが落ちている。

こんなことが何日か続くと、「もしかしてコウモリ?」と気になりますよね。

私たちボウケンジャー(防研スタッフ)が現場へ伺ったときも、お客様から「コウモリそのものは見たことがないんです」と言われることは珍しくありません。

実はコウモリの調査では、姿を探すこと以上に、フンの位置や建物の隙間、夕方の飛び出し方を見ることが大切です。

今回は、住宅で見かけるコウモリがどんな場所を好み、なぜ家に入り込むのか。そして自分でできることと、専門業者に任せたほうがいいことを、現場目線でお話しします。

コウモリは「家の中」より「家の隙間」を使っていることが多い

住宅でコウモリの相談を受けると、「天井裏に大きな巣があるのでは?」と心配される方もいます。

もちろん建物内部へ入り込むケースもありますが、実際には外壁と内壁の間、屋根まわり、軒先、シャッターボックスなど、人から見えにくい細い空間を利用していることがあります。

コウモリは夜行性なので、昼間はこうした暗く落ち着いた場所で休み、夕方になると外へ出て昆虫を捕食します。

つまり、日中に家の周りを見ても何も見つからないのに、夕方になると突然現れることがあるわけです。

「こんな隙間から?」という場所が入口になる

コウモリ調査をしていると、お客様が驚かれることがあります。

「ここから入れるんですか?」

そう言いたくなるほど小さく見える隙間が、出入口として使われていることがあるからです。

私たちが住宅を見るときには、屋根だけではなく、

軒先、瓦や板金の取り合い、外壁の接合部分、換気設備周辺、シャッターボックス、戸袋などを細かく確認していきます。

特に築年数が経過した住宅では、最初から大きな穴があったわけではなく、建材のわずかなズレや経年劣化によって隙間ができていることもあります。

だからこそ、「穴が見当たらないから大丈夫」とは言い切れません。

玄関やベランダの黒いフンは大切な手掛かり

コウモリ被害に気づくきっかけとして多いのがフンです。

毎朝同じ場所に黒っぽいフンが落ちている場合、その真上を一度見てみてください。

軒先や外壁の隙間などをコウモリが利用している可能性があります。

ただし、黒いフンだからといって必ずコウモリとは限りません。ネズミなど、ほかの生き物のフンと迷うこともあります。

私たちはフンだけで判断せず、

「どこに落ちているのか」

「その上に何があるのか」

「周囲に隙間があるか」

「夕方に飛び出しがあるか」

まで見ていきます。

この「点ではなく周囲まで見る」という考え方が、コウモリ調査ではかなり大切です。

コウモリがいると、どんな問題が起きる?

コウモリが一時的に軒先へ立ち寄った程度であれば、すぐ大きな被害になるとは限りません。

問題になるのは、同じ場所を長期間使うようになった場合です。

フンや尿が少しずつ蓄積すると、外壁や床が汚れたり、場所によっては臭いが気になったりすることがあります。

建物内部で長期間利用されていれば、清掃しにくい場所にフンがたまることもあります。

また、フンをそのまま素手で触ることはおすすめできません。

大量にたまっている場合は、むやみに掃いたりせず、手袋やマスクなどを使用し、周囲へ粉じんを広げないよう注意しながら扱います。

DIYなら、まず「観察」から始めてください

コウモリらしい気配を感じたからといって、いきなり穴を塞ぐ必要はありません。

むしろ最初にやっていただきたいのは観察です。

夕方、少し離れた安全な場所から屋根や軒先を見てみてください。

毎日のように同じ場所からコウモリが飛び出してくるのであれば、出入口を絞り込む大きな手掛かりになります。

フンが落ちている場所を写真に撮っておくのもおすすめです。

「昨日はここ」「今日はここ」と記録していくと、活動場所が見えてくることがあります。

地上から確認できる範囲で、外壁や軒先に明らかな破損がないかを見るのもよいでしょう。

ここまでなら、ご家庭でも比較的安全にできます。

逆に、自分でやらないほうがいいこと

注意していただきたいのが、コウモリが中にいるか分からない状態で隙間を全部塞いでしまうことです。

「入口が分かった。じゃあ塞ごう」

気持ちはよく分かります。

ただ、内部にコウモリが残ったまま封鎖すると、外へ出られなくなったり、別の場所へ移動したりする可能性があります。

また、季節によっては飛べない幼獣がいる可能性まで考えなければなりません。

屋根へ登って隙間を探すこともおすすめしません。害獣対策以前に転落事故のほうが心配です。

高所や屋根まわりは、専門業者に任せる範囲と考えてください。

コウモリは自由に捕まえていい動物ではありません

ここも知っておいていただきたいポイントです。

日本に生息するコウモリは野生動物ですので、住宅に入って困っているからといって、自己判断で捕獲したり処分したりしてよいわけではありません。

対策では、関係する法令を踏まえながら適切な方法を選ぶ必要があります。

だから私たちも、単純に「捕まえれば終わり」とは考えません。

基本になるのは、利用状況を調べ、適切なタイミングで外へ出てもらい、戻ってこられないよう建物側を整えることです。

実は地域によって建物の見方も少し変わります

防除研究所では、関東・北関東・中部・関西・九州で害虫・害獣のご相談をいただいています。

同じコウモリでも、住宅の造りや築年数、屋根材、周辺環境は地域によってさまざまです。

戸建住宅もあれば、工場、店舗、倉庫などのご相談もあります。

そのため、「コウモリならこの場所を塞げば大丈夫」という一律の考え方はしていません。

ボウケンジャー(防研スタッフ)が現場で見るのは、コウモリだけではありません。

建物を外から眺め、

「この屋根なら、どこが怪しいだろう」

「このフンの位置なら、上のどこを使っているだろう」

「ここを塞いだら、別の隙間へ移動しないだろうか」

と、一つずつ考えていきます。

ちょっと地味な作業ですが、実はここが一番大事だったりします。

専門業者へ相談する目安は?

一度だけコウモリを見かけた程度なら、まず様子を見ることもできます。

一方で、

毎朝同じ場所にフンが落ちる、夕方になると同じ場所から何匹も飛び出す、壁の中や天井付近から音がする、かなり高い位置に出入口らしい隙間がある、といった場合は一度調査したほうが安心です。

特に何年も同じ場所で被害を繰り返している場合は、表面から見えている場所とは別に侵入口が残っていることがあります。

「以前、自分で隙間を塞いだけれど、またフンが出てきた」

こうしたご相談もあります。

この場合は、塞いだ場所が悪かったというより、ほかにも使える隙間が残っていた可能性を考えます。

追い出して終わりではありません

コウモリ対策で私たちが大事にしているのは、追い出した後です。

せっかくいなくなっても、翌年また同じ場所へ戻ってきたら、お客様にとっては解決したことになりません。

そのため、

生息状況を確認する。

出入口を探す。

適切な方法で外へ出てもらう。

中に残っていないことを確認する。

侵入口を建物に合った方法で塞ぐ。

必要であればフンを清掃し、汚染部分を衛生処理する。

そして再侵入がないか確認する。

ここまでを一つの流れとして考えます。

まとめ

コウモリは、人を困らせるために住宅へ入っているわけではありません。

雨風を避けられて、暗く、安全に休める場所を探した結果、たまたま住宅の隙間が条件に合ってしまうのです。

だから対策も、ただ追い払うだけではなく、「なぜこの家が使われたのだろう?」というところから考えることが大切です。

ご家庭でできるのは、夕方の飛び出しを観察したり、フンの場所を記録したり、地上から建物の状態を確認したりするところまで。

高所作業、大量のフン清掃、建物内部の調査、追い出しや侵入防止施工などは、無理をせず専門業者へ相談してください。

防除研究所のボウケンジャー(防研スタッフ)は、コウモリそのものを見るだけではなく、その家の屋根、外壁、軒先、周辺環境まで見ながら原因を探します。

「追い出したから終わり」ではなく、もう一度入りにくい建物にするところまで考える。

関東・北関東・中部・関西・九州、それぞれの現場で建物と向き合いながら、防除研究所が大切にしているコウモリ対策の考え方です。

株式会社防除研究所  

代表取締役 梅木厚生