面接で見ているのは、今日のあなたと、これからの可能性

採用面接では、何を見て判断するのか。

仕事を探している方にとっては、気になることだと思います。経験でしょうか。資格でしょうか。受け答えの上手さでしょうか。

もちろん、任せる仕事に必要な知識や技術は確認します。しかし、私が採用で大切にしたいのは、「この人は今、何ができるか」に加えて、「これから一緒に、どんな仕事ができるようになるか」という視点です。

雇用は、今日の人手を補うだけの話ではありません。会社と働く人が、お互いの未来に関わる約束でもあると思っています。

だからこそ、面接では目の前の印象だけで結論を出さず、その人の考え方や行動を、できるだけ具体的に知りたいのです。

面接に来られる方は、緊張されています。

普段なら自然に話せることも、うまく言葉にならないかもしれません。反対に、面接には慣れていて、自分をよく見せるのが上手な方もいるでしょう。

はきはき話す人だから仕事ができる、口数が少ないから向いていない。そんなふうに、簡単には判断できません。

話す速さや声の大きさだけでなく、こちらの質問を理解しようとしているか。わからないときに確認できるか。自分の経験を、自分の言葉で説明できるか。そのあたりを、丁寧に見たいと思っています。

まず大切にしたいのは、誠実さです。

ただ、「私は誠実です」と言われても、それだけではわかりません。これまで困ったときにどう行動したか、間違えたときにどう対応したかを伺うことで、少しずつ見えてくるものだと思います。

例えば、仕事で失敗した経験を聞いたとします。

失敗の大きさだけで、その人を判断したいわけではありません。気づいた後、誰に伝えたのか。どう対応したのか。その後、同じことを防ぐために何を変えたのか。

私は、その過程を知りたいのです。

ボウケンの仕事でも、現場で予定と違う状況に出会うことがあります。そのとき、都合の悪いことを隠して進めるのか、いったん止めて相談するのか。この違いは、お客様の安心にも、仲間の安全にも関わります。

できないことを、できないと言える。確認していないことを、確認したように話さない。その姿勢は、技術を教えるうえでも大切な土台になります。

次に見たいのは、学び方です。

未経験であれば、知らないことが多くて当然です。経験者であっても、会社が変われば手順や扱う仕事は変わります。

大切なのは、知らないことに出会ったとき、どうするかです。

質問する。調べる。メモを取る。実際にやってみて、できているかを確認してもらう。方法は人それぞれでも、わかるようになるために動ける人には、成長の可能性を感じます。

「何かを覚えるのに苦労した経験はありますか」
「そのとき、どんな工夫をしましたか」

そうした質問には、立派な成功談でなくても構いません。アルバイト、学校での活動、以前の仕事など、実際の行動を聞くことに意味があります。

また、私は「素直さ」も大切だと思っています。ただし、何でも黙って従うという意味ではありません。

指摘を受けたときに、まず内容を理解しようとする。自分の考えと違うなら、理由を聞く。納得できたことは行動に移す。逆に、安全や品質に問題があると思えば、きちんと伝える。

そうしたやり取りができる人と、一緒に働きたいと思います。

さらに見たいのは、相手の立場を考える力です。

私たちの仕事では、技術があるだけでは十分ではありません。お客様が何を心配しているかを理解し、必要な説明をすることが求められます。

例えば、「施工内容は説明しました」と担当者が思っていても、お客様には伝わっていないかもしれません。

専門用語が多かったのか。写真がなく、場所がわかりにくかったのか。お客様が本当に聞きたかったのは、作業内容ではなく、施工後の生活についてだったのか。

自分が話したことで終わらず、相手に伝わったかを考えられる。その姿勢は、現場でも事務でも、CSでも大切です。

面接でも、接客や人とのやり取りで困った場面を伺い、相手の事情をどのように捉えたかを聞きたいと思います。単に愛想がよいかどうかではなく、相手を理解しようとする行動を見るためです。

一方で、感じのよさだけで採用を決めるわけにもいきません。

任せる仕事に必要な力は、できる限り実際に近い形で確認したいと思っています。

事務の仕事なら、簡単な情報整理や入力。電話対応なら、お客様役との短いやり取り。現場の仕事なら、写真を見て気づいたことを説明してもらう。

未経験者に、最初から専門家の答えを求める必要はありません。何に注目するか、どこを確認したいと思うか、説明を受けてどう理解が進むかを見ることができます。

経歴を聞くだけではわからない強みが、こうした場面で見えることもあるはずです。

そして、採用する側が気をつけたいのは、自分と似た人ばかりをよい人材だと思わないことです。

話が合う。趣味が同じ。考え方が近い。そうした親近感はありますが、それと仕事への適性は分けて考える必要があります。

年齢や性別、学歴、前職の会社名だけで、可能性を決めつけたくありません。職歴に空白がある、転職回数が多いといったことも、それだけで結論を出さず、仕事に関わる事情や今後の希望を確認したいと思います。

会社には、行動の早い人も、細かい確認が得意な人も必要です。人前で説明するのが得意な人も、裏側で正確に仕事を整える人も必要です。

違う強みを持った人が協力することで、チームとしてできることが増えていきます。

ただ、本人の能力や意欲があっても、働く条件が合わなければ、長く続けることは難しくなります。

仕事内容、勤務時間、移動や出張の範囲、給与、教育の進め方。採用前に、会社から具体的に説明する必要があります。

よい面だけを伝えて入社してもらい、後から「実際は違った」となるのは、お互いにとって残念なことです。

ボウケンの現場にも、暑さや寒さの中での作業、汚れに向き合う仕事、細かな確認を続ける仕事があります。やりがいとともに、仕事の大変さや、それに対して会社がどう支えるかも伝えたいと思います。

面接は、会社が相手を選ぶだけの時間ではありません。応募された方も、「ここで働きたいか」「自分が続けられそうか」を判断する時間です。

質問をしてもらい、疑問を残さず話せる場にする。その姿勢も、採用する側の責任だと思います。

では、「未来を見て採用する」とは、どういうことでしょうか。

何となく「伸びそうだ」と期待するだけでは不十分です。その人の今の力と、これから任せたい役割の間に、どんな教育が必要かを考えることだと思います。

誰が教えるのか。どの仕事から経験してもらうのか。どの段階で一人で任せるのか。困ったとき、誰に相談できるのか。

そこまで考えずに、「よい人を採ったのだから、あとは頑張ってもらおう」では、せっかくの可能性を生かせません。

入社した後に、その人が力を発揮できるかどうかは、職場の環境にも大きく関わります。会社が求める基準を伝え、練習する機会をつくり、できるようになったことを確かめる必要があります。

採用して終わりではなく、採用してからが始まりです。

これから仕事の道具や進め方が変わっていけば、必要な知識や技術も変わります。AIなどの新しい道具を使う場面も増やしていきたいと考えています。

そのとき大切なのは、今すべてを知っていることより、新しい方法を学び、確かめながら使えることだと思います。

便利な答えが出ても、それが現場に合うかを考える。記録を見て、お客様の状況を理解する。仲間と情報を共有し、最後まで仕事をつなぐ。

そうした力は、経験を積みながら育てていくものです。

だから、応募される方には、面接で完璧な自分を演じるより、できること、苦手なこと、これから覚えたいことを、できるだけ正直に話してほしいと思います。

私たちも、その話を聞いて、何を任せられるか、どう支えられるかを真剣に考えたい。

会社にとって採用は、未来への投資です。そして、働く人にとって就職は、自分の大切な時間を託す選択です。

その重さを忘れずに、一人ひとりと向き合っていきたいと思います。

ボウケンで働くことで、できることが増え、自信がつき、自分の将来を前向きに考えられるようになる。そして、その成長がお客様へのよい仕事につながっていく。

面接では、今日のあなたを知りたい。同時に、これから一緒につくれる未来を考えたい。

そんな採用と育成を、大切にしていきたいと思います。

株式会社防除研究所
代表取締役 梅木厚生